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「エレベーター」
「この高層ビル、感染症対策で、ボタンに触らずに指先を向けただけで反応するエレベーターを導入したんだって」
「何それ? ちょっとした魔貫光殺砲じゃん!」
「……それはようわからんけど、今からエレベーターで上の階行くし、ちょっとやってみよう」
ウィーン……
「12階で降りるから12のボタンに指先を向けて……」
「おぉー! ちょっとしたおまかせアレックスじゃん! 俺もやってみるわ」
「何でだよ。他の階で降りねぇよ」
「すげーっ! 超能力者になったみたいじゃん! ボタンがいっぱい光り出してなんかお祭りみたい」
「ってどんだけやってんだよ! 何でわざわざ各駅停車にしてんだよ」
「各階停車ね」
「どっちでもいいわ!」
「時を戻そう! わざとじゃないんだから一旦落ち着かして」
「お、おぅ……」
「確かキャンセルする方法ってあるじゃん」
「いたずら防止でここには書いてはないけど、覚えてんの?」
「えっとねぇ……。あっ、思い出した! これでいけるかも。今からボタンをダブルタップするわ」
「結局ボタンに触れるんかいっ!」
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