愛さなくてごめんなさい

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 私は誠心誠意お礼を言って電車が見えなくなるまで頭を下げた。  実家まで歩いて15分。よろめふためきながらなんとかたどり着いた。 慌てふためく両親を横目に私は救急車のサイレンを聞いた。  目を開けるとそこは病室で、母が泣きそうな顔で手を泣ぎっていた。その顔を見て私もなんだか泣けてきた。  ナースコールを押して、看護師と医者と、遅れて駆け込んできた。 「以前かかった病院から話は聞いています。診断書はいりますか?」  両親が力強く頷いた。 「あなた酷い貧血だったのよ……」「女の子なのに顔に傷なんて……」と、後に母に泣きながら聞かされた。そして、喪服のことを尋ねられた。 「え?」  私は息子の葬式だったのだと伝えた。やはり頭は回っていなかったのだ。でも落ち着いて思い出してみれば見たのは夫側の親戚ばかりだった気がする。  その証拠といってはなんだが、孫の葬式に私の両親が呼ばれていないなんて。  両親は泣き崩れた。そして私を心配してくれた。  私は正直に今までのことを洗いざらい両親に話した。夫の怒声や暴力、息子はそれを……というか、私のことを見て見ぬふり。
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