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勇斗は助けに来てくれた颯吾にお礼を言う前に、颯吾が先に口を開く。
「よっ、伴。朝から大変だったな。一緒に教室行こうぜ」
「うん、サンキュー、平本くん」
「お礼は、小テストで良い点を取って、お前のことをバツって言ってくるあいつらを見返してからにしなよ。勉強、オレが教えるから、このあととか休み時間やろうぜ」
「いや、大丈夫。平本くんに悪いし」
勇斗が断ると、颯吾は残念そうな顔をし、
「そっか、わかった。でも、一緒にやりたくなったら、オレ、前の方の席にいつも座ってるからいつでも声掛けてな」
と、先に教室に行ってしまった。
勇斗は颯吾が教室に入ったあと、しばらく廊下に立ってから入ろうとしていた。ほんの数秒、廊下にいただけだが、
「そこ、邪魔なんだよ」
と、言ってきたワイルドヘアの男子がいた。重田涼矢で、彼も勇斗のクラスメートだ。
「あ、ごめん」
勇斗は慌てながら窓際にどいた。
涼矢が教室に入ったあと、彼の後ろにもう一人落ち着いた雰囲気の男子も入って行った。松橋樹で、彼もクラスメートだった。
彼らが行ったあと、もうしばらく勇斗は廊下の窓際にいたあと、教室に入った。
「伴くん、おはよう」
「グタフタヌーン、伴」
「お前、グダフタヌーンって午後だろ。伴くん、よっ!」
クラスメート3人、勇斗にあいさつしてくれた子たちがいた。勇斗もおはようと返すが、そのまま何も話さず自分の席に行った。
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