同じ春

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同じ春

「入学式だねー。」  二年後、同じ高校に合格した僕らは、初登校の朝に町内の公園前で待ち合わせをした。  そこから学校まで自転車を並べてこぎながら、三咲は嬉しそうだった。 「何度目かな、ふたり一緒の入学式。」 「入園式も入れたら、四回目だな。」 「すごいよね。卒業式も記録更新しようね!」 「入学式から卒業の話かよ!」  ほのかに桜の香りがする、暖かな風のなかで、僕らは笑った。  日差しと空がとても明るかった。
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