大注目の小説家

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「では最後にこちら、スノープリンスはどうでしょうか」メチャクチャ薄い本を差し出す。  持ってるんかい。何でそんなにこんな奴のクソみたいな本を次から次へと出して渡してくるんだ。  あと、この作者作品によって本の厚さが落差ありすぎ!辞典みたいな分厚いのから200ページも無さそうなかなり薄い作品だったり差が激しすぎる。そりゃ作品によって内容の長さも本の厚さも違うのは分かるけどもう少し統一感を持ってほしい。 「こいつ、毎回 タイトルだけは綺麗なんだけどな」呆れたようにそう言い最初のページから読み始める。  王子、王子、ああ、王子。あなたはなんて美しい。 「これは小説ですらないだろうが!これのどこが小説だ!どうしてこんな奴が大注目されているんだ!」普通に手渡された本を読んでいるだけでこんなに気分が悪くなるのは凄いな!と不快な気持ちでツッコむ。 小説としての内容が最低だったり、全然心境が伝わってこなくて共感もできなかったり、最後に至っては出来の悪いポエムのような小説とも言えない作品だ。 「それは ウォルト・ディズ〇ーJrという名前から、なんと素晴らしい名前だ!!まさにウォルト・ディ〇ニーの生まれ変わりだ!!と注目を浴びたのです」 「目―覚ませぇぇっ!そいつは、ウォルト・ディ〇ニーとは似ても似つかないクズだぁぁぁっ!」 「そしてこの方は巨万の富をえて現在、天国を探しに旅に出ております」 「自殺志願者か何かか!一生探してろ!!」
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