大注目の小説家

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「では、こちらはいかがでしょうか」新しい、表紙がやたら綺麗な辞典のように分厚い単行本を渡される。いや、分厚すぎ!目測で1500ページくらいあるぞこれ! 「―なになに、ラストクリスマスプレゼント。今度はまともそうだな」気持ちを切り替えてその手渡された作品に目を向けて読む。 地球に隕石が迫り、地球消滅まであと1日!! ママーあした地球が消滅するって事は、今年のクリスマスプレゼントは無いのー? 仕方ないわねー、今日今年の分のクリスマスプレゼントを買ってあげるわよ。 「どーでもいいよ!明日地球が消滅するってのに、なにクリスマスプレゼントなんて小さいこと気にしてるんだよ!そしてこの母親の、仕方ないわねー、今日今年の分のクリスマスプレゼントを買ってあげるわよ、てどういう心境なんだ!あした地球が消滅するんだろ!?全く感情移入できねーよ!つーかラストクリスマスってそっちの意味かよ。カタカナ表記だから仕方ないのかもしれないけど、だったら英語表記でThe付けろよ!」 クソみたいな作品しか描けない奴なのか、と自分の中でこの作者の評価がゼロを通り越してマイナスになる。
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