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2.謎の娘
「いただきます。」
「…いただきます。」
娘はスマホの画面とテレビを器用に観ながらご飯を食べている。
私も作ってくれたご飯を口に運ぶ。
これは旨い!
唐揚げだと言っていたが、チーズがかけられており、何かわからないが私好みの味だった。
にしても…この娘が目の前にいることが違和感がない。
というより、この娘が堂々とし過ぎているため、自然に思えるのではないか。
これが若いということか。
その後は、朝起きる時間や学校からの帰りの時間のことを少し話しただけで、それ以外に特に会話もなく食事は終了した。
娘は食器を洗い、先にお風呂入るよ、と言って風呂場へ向かった。
風呂から上がると、おやすみ~と言って部屋に消えた。
なんだか、あっという間の出来事だった。
落ち着かない感じで眠った私は、翌朝目が覚めて確かに生活が変わったのだと実感する。
起きて台所に向かうと娘がすでに朝食の準備をしていたからだ。
「おはよう~」
娘はチラッとだけ私を見ると慣れた手付きで料理をし、テーブルに運んだ。
「朝ごはんはこのくらいの時間で大丈夫?」
私が頷くと、娘はじゃあ食べようよと言って席に着いた。
一人の生活にはなかった、日常の生活感がある。
…懐かしいような、不思議な感じがした。
明らかなのは、これまでと全く違う生活が始まったのだということだった。
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