十七日目

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十七日目

 爛々と照り輝く太陽。その日差しが頭を焼く。  揺らいで見える地面と、乾ききった喉。流れ落ちてくる汗。奪われる体力と、気力。  どこからともなく聞こえてくる、ジンジンと鳴き続ける蝉の声。 「あっづい……もう無理。……うわ、あっつ!!」 「しゃがむな。コンクリートで火傷すんぞ」  田畑の真ん中。幅もたいして広くはない一本道。  視界は広いが、すがすがしくは思えない。少なくとも、今は。 「なんでこの道、こんなに暑いんだよ~」 「日陰がないからだろ。残念なことに、風もない。……なんでこんな時間に出かけるなんて言い出すんだよ」  時刻は午後三時を回った直後。  本来ならば、クーラーの効いた部屋の中で宿題をしているはずだったのに。 「おやつがないのが悪いんだろ!」 「アイスなら、近所の店でいいだろ」 「あの店で買えないやつが食いたいんだって! 新しいやつ!」  そうは言いながらも、しゃがみ込んだまま動く気配のない友人。頭上では変わらず燦々と照り輝く太陽。  そのせいなのか、鳥さえ飛んでいない。  このままだと、まず間違いない。 「丸焼きになる前に、さっさと行こうぜ」 「おう……」  のろのろとした動きで立ち上がる友人を背に、さっさと歩みを進める。  そのまましばらく歩いて、ふと違和感を感じた。隣、というか背後が妙に静かすぎる。ついて来てるのかと慌てて振り返ると、すぐ後ろに幽鬼のようにしてふらふらと歩く姿があった。 「……? なんだよ」  驚いた俺に怪訝な目線を向ける。 「いや、ちょっとびっくりしただけ」 「?」 「もうちょっとだから、がんばろうな」  倒れたりしてなくてよかった。とは言えずに、ガラにもなくそう労った。
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