星の裏側から永遠の友情を。

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 「お暇することにした。じゃあ元気でな、王様? 平和な世界を宜しくな」  そんな一言でファロディ・レングレートは広大な国の王になった友人のもとを去った。あっけに取られて王はもちろん、周囲が反応できない内に城を出た。  ファロディは大魔術師である。得手不得手は多少あれど、使えない術はないというほどの無敵の魔術師。荒廃していた世界をマシにするために友人サイフィアを筆頭とした仲間達と共に反乱を起こし7年。  町、街、村、派閥、民族……国から取りこぼされた数多の民の救済に始まり、元凶の悪王ドーラを討ち、敵対状態になっていた周辺国と同盟や協定を結び今日に至った。喜ばしいことだ。  まだまだ手が必要なところも多いが、サイフィアが王になったのだから行き届くはずだ。証拠に民の顔は疲れていても明るい。  「ファロディ様、お出かけですか?」  「ああ、楽しそうな皆の顔を見られるのは最高だ」  真珠と琥珀のオッドアイ、朝焼けの淡い色の髪はどこに行っても目立つ。それに民にとっては英雄の一人だから仕方がない。ファロディはサービスも怠らない。穏やかな笑顔で呼びかけに応える。
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