星の裏側から永遠の友情を。

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 何食わぬ顔をして、ただ、ただ遠くへ。見知らぬ土地を旅して、魔法を使って飛翔したのは大地を3か月移動した後。ファロディは伸びをして苦笑した。  「やっとか……」  世界の果てと囁かれている海に囲まれた島に降り立った。目についたのは寂れた石積みの塔、修繕すれば充分に住める。海を見渡せる屋上と、くり抜かれた窓から見える豊かな森と海のバランスが良い。ファロディはじっくりと吟味する。周囲の土が良いから畑が作れる。薬草も育てられるし、浅瀬に降りる道があるから釣りもできる。少ないながらも店があり、適度に人がいて、争いの気配がない。  「気に入った」  ファロディは島長を探して訪ね、居住の挨拶をした。気の良さそうな中年の男で、こんな何にもないところにと言いつつも快く受け入れてくれて安心する。ファロディが出身国を伝えると目を真ん円にして叫んだ。  「星の裏側から来なさったのかい!?」  「星の裏側?」  「昔、ここには賢者様が住んでいたと言われているんだが、記録ではこの世界はまん丸い星の上にあると伝えられている。この島、リストレスは東の果て、あんたの言った大地は真逆の西の果て。ほれ、これがその絵記録」  賢者がいた島、ますます気に入った。見せてくれた絵記録はとても興味深い。確かにちょうど裏側になるようだ。  「遠くに来たんだなぁ……」
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