安否の不安な爺さん

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 だみ声おばさんの声が止まると、爺さんのうめき声もとまります。 「ほぉれ、息しろ! 息しろて!!」  忘れた頃におばさんが騒ぎ出します。おばさんの声に被せるように、1歳くらいの子供の声も聞こえてきます。 (家族が呼ばれてるの? 爺さん、やばいのか!?)  私の中で緊張が走ります。 「息しろ! 息しろて! そうじゃない、鼻から吸え、口から吸うじゃない!」  口呼吸できてりゃ良しとしてやれ! おばさんなぜそんなにスパルタ!?(⁠⑉⁠⊙⁠ȏ⁠⊙⁠)  口呼吸を封じられた爺さんの、苦しげなうめきが切なく聞こえます。 「フェェ〜フェェ〜」 「息しろ! 鼻から息しろ!」 「パーパー! ヒャッ♥ ふえぇー!」 (1歳児の喃語っぽい声) ……なかなかのカオス!  若い看護師さんが爺さんのベッドサイドに来た模様です。 「村田さーん! 呼吸が浅いでね〜。しっかり起きとって〜! あと30分くらいで点滴終わるでね〜!」 「は~い!」  若い看護師さんにはどえらい元気に返事をする爺さん!! そんな余力を残していたとは!!(⁠⑉⁠⊙⁠ȏ⁠⊙⁠)  そして30分後、更に衝撃の事実。 「足元ふらつきやすいので気をつけて歩いてね!」 看護師さんの言葉から察するに、爺さん歩いて帰宅。 歩けたんやね……(⁠☉⁠。⁠☉⁠)⁠!
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