頼りになる男

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「大丈夫です。それが原因で彼との仲が引き裂かれるということは絶対にありません。考えてもみてください。彼が本当にあなたのことを愛しているなら、夢を応援してくれるはずではありませんか? 違いますか?」 「たしかに……そうですね」 「私の占いに間違いはありません。ひどいことを言うようですが、彼女の夢も応援できないような男なら、付き合う価値もない。そう思いませんか?」  女子高生は思案顔をした。 「そうでしょう? 違いますか?」 「それも……そうですね」 「さあさあ、私の言葉を信じて。安心して上京しなさい」  男の自信たっぷりな口調に女子高生は決意を固めたらしく、勢いよく立ち上がった。 「私、あなたの言葉に従ってみます。ここへきて正解でした。自分の夢をかなえようと思います」 「そうそう、それがベストです。勉強も恋もがんばってください」 「はい。あの……代金はいくらですか?」 「いいえ、一銭もいただきません。夢を持った若い女性の背中を押すことができた。それだけで十分な報酬ですから」 「本当にお金、いいんですか?」 「はい」 「今日はありがとうございました。あなたのこと一生忘れません」
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