2.シングルマザー

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 彼の身体は再び私の方へと向いていく。 「寝てる顔も、可愛いんだな」 「……どうして?」 「え?」  私は彼に「どうして……あなたは私に子供がいることを知ってるんですか?」と問いかけると、彼は少し黙り込んでから「……君のことを調べたんだ」と口にする。 「調べた……?」  どういうこと……? 「調べたってなんですか? どういうこと?」  意味が分からない。どうやって調べたの……? 「君に会いたいから、君のことを調べたんだよ。 そしたら君に、子供がいることを知った」 「……なんで?」  なんで……会いたいなんて言うの? どうして……? 「俺は探偵をしているんだ」 「探偵……?」  彼は……探偵なの? 「え、探偵……?」 「そうだ、沖縄で探偵として働いてる」 「沖縄……?」  沖縄で探偵……? 待って、分からない。 「君と沖縄の海の見えるホテルで一夜を共にした時から、君のことが忘れられなかった。……だからまた、君に会いたいと思って君を探した」  そうだ、沖縄で私は彼と一夜を共にした。あの傷心旅行の日……私は彼に抱かれた。  沖縄に一人で気分を晴らすために来た旅行で、ナンパから助けてくれたのは彼だった。
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