2.シングルマザー

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 確かに、彼の言うとおりだ。でも……。 「なら……」  そんな彼の言葉を遮って「今更、果琳の父親になりたいなんて言わないでください。……果琳には父親のことを話してないんです。今更出てこられても、困ります」と告げた。 「……由紀乃」 「お願いです。……私たちは、二人家族だから」  三人家族になることは、考えていない。 「なせだ?果琳は俺の子供だろ? 俺にも、その子を育てる義務はあるだろ?」 「私は……あなたに父親になってもらうつもりはないんです」  父親がいないことは、確かに子供にとっては可哀想なことなのかもしれない。  でもそれでも今が幸せだから、そこに邪魔をするのはやめてほしい。 「どうして……」 「あなたに何も言わず、私は果琳を産んだんです。……あなたが父親であることを言わないまま、産みました。 だからあなたのことを、責めることも出来ません」  彼を責めることが出来ない私は、臆病なのだろうか……。 「……どうせなら、責めてほしかった」 「え……?」 「どうせなら、いっそのこと責めてほしかったよ。あなたの子を妊娠したから、責任を取ってほしいって、責めてほしかったよ」  そんなこと、出来る訳がない……。
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