3.家族になるための時間

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「あの……あなたは、果琳の父親になりたいですか?」 「そりゃあ……俺の子供だしな」 「そうですか……」  果琳もきっと、父親がいたら喜んでくれるかな? パパ〜!って、笑ってくれるのだろうか。  きっと父親がいたら、果琳はもっと笑顔になるだろう。寂しさを埋めてあげられるし、悲しむこともないだろう。 「すぐにとは言わない。 ゆっくり時間をかけて、君のそばで家族という輪を作っていきたいと思ってる」 「家族という……輪?」  家族になるってとても難しい。一年半も会っていない娘と、家族になんて本当になれるのだろうか。   どのくらい時間がかかるのか、分からない。 「これから……君と果琳を、俺が守っていきたいと思ってる」 「私と果琳を……?」  どうしてそこまで、言ってくれるの……? 「果琳が大きくなったら、運動会にも出たい。一緒に親子競技をしたいし、授業参観にも参加したいと思ってる」  そこまで……果琳のことを考えてくれてるの? どうして……。 「君のことが好きだから、君と家族になりたいんだ。……ずっと大切に思ってる」  そんなこと言われたら、私はなんにも言えなくなる……。
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