3.家族になるための時間

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「由紀乃、もし俺のことをいいなって少しでも思えたら……」  そこで言葉を止める剛久さんに、私は「思えたら……?」と問いかける。 「結婚してくれないか」  それは、思ってもいない言葉だった。 「……え?」 「その時は、俺と結婚してくれないか」  け……け、結婚?! 「け、結婚……ですか?」  い、いきなりすぎる! いきなり結婚だなんて……! 「君と果琳と、三人で暮らしたいんだ」 「でも私、結婚なんて……」  結婚なんて、まるで考えていない。 「俺はもう、君を離したくないんだ」  そんなことを言われたら、言葉が出ない。 なんて返せばいいのか、分からない。 「君を幸せにする自信があるかなんて……正直に言うと、分からない。 でも俺は、誰よりも君を思ってるんだ。君がいれば、俺は他に何もいらない」  どうして……どうしてそこまで、私に優しい言葉を言ってくれるのだろう。  どうせなら、怒ってほしかった。 俺の子供なんて、産んでほしくなかったとか……言ってくれれば良かったのに。  どうして……そんなに優しくしてくれるの? 「……由紀乃?」  私のことをジッと見つめる剛久さんに、私は「どうして私を責めないの?」と言った。
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