1.プロローグ

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 とうとう下着の中にまで手が伸びてしまい、私は自分でも考えたことのない厭(いや)らしい声を漏らしてしまう。 「ああっ」  どうしてこんなに、変な感覚になるんだろう……。今まで感じたことのない途轍(とてつ)もない感覚に襲われて、感情がなぜか抑えきれない。 「いいね。もっと乱れてみろよ」 「あっ、ダメッ……。いやっ」  こんなにも気持ちいいと思う感覚は、多分初めてだ。自分でもおかしくなりそうなくらい、変だ。  こんなの、私じゃない……。そう思うのに、その欲情した感覚は、もう止められそうになかった。 「ん……っ、あんっ」  下着を全部奪われ裸になった私は、彼の欲情した熱い熱量をずっしりと受け入れていく。 「ん……んっ、あっ」  この欲情が、たまらなく気持ちいい。身体が重なった瞬間に、身体でそう感じた。 「もっと……気持ちよく、してください」  その理性には抗えなくて、私は自分から彼を受け入れていくことを望んだ。 「……意外と厭らしい女なんだな。 そういう女、俺はキライじゃない」    その言葉の後から、私は彼の身体にしがみついて、その理性を彼の身体にぶつけた。  私の声と、彼の腰を動かす音と、軋むべッドの音がしばらく鳴り響いていた。
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