3.家族になるための時間

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 私はこの人と……家族になるかもしれないんだ。 そう考えたら、それも悪くないと思えた。  一人で育てるって決めても、やっぱりどうしても無理な時はある訳で……。  時には誰かに頼るのも、やっぱり必要なんだって思い知らされる。  私は一人じゃない、そう思わせてくれる人が今目の前にいる。  私を助けてくれる人、私を支えてくれる人が……。 「剛久さん……ちゃんと家族になるために、紡いでいきましょう」 「え?」 「信頼とか、そういうものを……紡いでいきましょう」  この人となら、私は幸せになれる気がする。直感でそう感じた。 「由紀乃……?」 「明日から、よろしくお願いします」  私は剛久さんにお辞儀をすると、剛久さんは「こちらこそ……よろしくお願いします」と笑ってくれた。 「私……あなたと過ごす時間、大切にしたいと思ってます」  この人は……正真正銘、果琳の父親だから。果琳はきっと、彼に懐いてくれるだろう。  父親だと名乗らないでと言ったけど、名乗ることを許しても……いいかもしれない。 「由紀乃、俺は君と果琳を大切にする。 だから俺を、信じてくれないか」  その言葉を聞いて、私は「……はい」と返事をした。
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