4.スパダリなパパ

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 剛久さんのその表情は、完全にパパの表情になっていた。  その時感じたんだ。この人はやっぱり、果琳のパパなんだって。   「あーあ、果琳、お口汚れてるよ」  ウェットティッシュを取り出し、果琳の口元を優しく拭く。 「なあ、由紀乃」 「はい?」 「今度、動物園にでも行かないか?」 「え?」  動物園? 動物園……。 「ほら、果琳がこの前動物図鑑見てて、動物好きなのか聞いたら、うんって答えたから」  確かに果琳は、動物が好きでよく動物図鑑を見ている。  果琳は特にパンダとライオンが好きみたいで、いつか動物園にも連れてってあげたいと思っていたけど、なかなか難しかった。 「ねぇ、果琳。果琳はなんの動物が好きなんだっけ?」 「パンダしゃん!」  パンダが好きということが、よく分かる答えだ。 「そっか、果琳はパンダさんが好きなのか」 「パンダしゃん! しゅき!」  果琳はパンダさんに大興奮だ。見に行くのが楽しみなようだ。 「じゃあ果琳。おじさんとママと、三人で動物園にでも行こっか」 「どーぶしゅえん?」 「そう、動物園。パンダさん見に行こうか」 「パンダしゃん!みる!」  果琳のこんなに楽しそうな顔、初めてかもしれない。
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