4.スパダリなパパ

5/15
前へ
/47ページ
次へ
「由紀乃」 「はい?」 「これってなんか……家族みたいだな」  剛久さんがそう言うから、私も同じだなって思っていた。 「私も、同じこと思ってました」 「え?」 「私も……今こうして動物園でお出かけしてると、本当の家族みたいだなって思ってました」  家族ってこういう感じなのかなって思うと、家族っていいなって思う。  果琳と剛久さんと私と、家族三人での生活も……いいのかなって感じてる。  剛久さんが一生懸命、私たちと家族になってくれようとしている。  私はそれが、最善の方法だと思ってる。 「ほら果琳、パンダさんいたよ!」 「パンダしゃん!パンダしゃん!」  大好きなパンダを見て、果琳は大はしゃぎだ。テンションがかなり上がっている。 「果琳、可愛いな?パンダさん」 「かあーいー!」  果琳のためにパンダさんの写真をたくさん撮ってあげた。後で果琳に見せてあげるために。 「由紀乃、果琳と一緒に写真撮ってあげようか?」 「え? いいの?」 「ああ。記念にどう?」 「……じゃあ、お願いします」  剛久さんに果琳との写真を撮ってもらう。と言っても、果琳はパンダさんに夢中なのだけど。 「撮れたよ」 「ありがとうございます」
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1101人が本棚に入れています
本棚に追加