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「由紀乃」
「はい?」
「これってなんか……家族みたいだな」
剛久さんがそう言うから、私も同じだなって思っていた。
「私も、同じこと思ってました」
「え?」
「私も……今こうして動物園でお出かけしてると、本当の家族みたいだなって思ってました」
家族ってこういう感じなのかなって思うと、家族っていいなって思う。
果琳と剛久さんと私と、家族三人での生活も……いいのかなって感じてる。
剛久さんが一生懸命、私たちと家族になってくれようとしている。
私はそれが、最善の方法だと思ってる。
「ほら果琳、パンダさんいたよ!」
「パンダしゃん!パンダしゃん!」
大好きなパンダを見て、果琳は大はしゃぎだ。テンションがかなり上がっている。
「果琳、可愛いな?パンダさん」
「かあーいー!」
果琳のためにパンダさんの写真をたくさん撮ってあげた。後で果琳に見せてあげるために。
「由紀乃、果琳と一緒に写真撮ってあげようか?」
「え? いいの?」
「ああ。記念にどう?」
「……じゃあ、お願いします」
剛久さんに果琳との写真を撮ってもらう。と言っても、果琳はパンダさんに夢中なのだけど。
「撮れたよ」
「ありがとうございます」
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