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剛久さんは「俺も昔、リンゴジュースが好きだったな」と、果琳の頭を撫でながら言っていた。
「そうなんですか?」
「ああ。小さい頃、よく飲んでたのを思い出した」
剛久さんの笑顔は、とても優しくて温かかった。
「私も好きでした、リンゴジュース」
「美味しいもんな」
「はい」
こうして話していると、本当に家族になった気分だった。
すごく、幸せだなって思った。
「剛久さん」
「ん?」
「剛久さん、お仕事は探偵って言ってましたよね?」
確かにそう言っていた気がする。
「ああ、探偵だ」
「普段って、何されてるんですか?」
「警察とか事件の捜査の手伝いとか、いなくなった犬や猫の捜索とかかな」
事件の捜査に、いなくなった犬の捜索……。
「いなくなった犬や猫も探すんですね」
「専門は主に警察の手伝いとかだけど。犬や猫の捜索はおまけみたいなものだよ」
「じゃあ、事件も解決してるってことですか?」
だとしたら、すごい。まさにスパダリとは、このことだったりして……?
「まあ、そういう時もあるかな」
「すごいですね」
「そんなことない。 警察にただ友人がいて、その友人に何かと頼まれるだけだよ」
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