4.スパダリなパパ

8/15
前へ
/47ページ
次へ
 だとしても、すごい……。 「じゃあ忙しい時も多そうですね」 「そんなことないさ。 まあ調査とかで忙しいこともあるけど」  剛久さんの仕事のことはよく分からないけど、剛久さんがすごいということだけは分かる。 「そうなんですか」 「でも基本、俺は由紀乃と果琳のことを第一に考えたいと思ってる。 だから仕事が忙しかったとしても、ちゃんと二人の元には帰るつもりだ」    剛久さんは、私たちのことをよく考えてくれている。私たちのことを優先にしてくれている。 「どんな時も俺の一番は……君と果琳だから」 「剛久さん……」  果琳はリンゴジュースを飲んで満足したのか、剛久さんのことを可愛いらしい顔で見つめている。 「君と果琳の幸せを一番に考えたいと思ってる」 「……ありがとう、剛久さん」  そんな私を見て、果琳は「まま?どおたの?」と不思議な顔をしている。 「ううん、何でもないよ」  涙を拭うと、剛久さんは私に優しく「由紀乃。俺のこと、信じてほしい」と言った。 「……はい、信じます」 「ありがとう、由紀乃」 「私こそ……ありがとう」  剛久さんがこうやって笑ってくれると、私も安心する。 やっぱりこの子には、パパが必要なんだと感じる。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1101人が本棚に入れています
本棚に追加