初恋の残像

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「あ~窓口お借りしますよ。こちら昇竜連合昇竜会福島でマイコール【烈火の真】  名指しで失礼します。共に福島メンバーで戦う国の【戦国】さん、いつもお世話になってます。窓口、出られるようならお願いします」 『了解、マイコール【戦国】烈火の真さん、立ち上がりを確認しました。真さん積み込みお疲れさんでした。これから館でお休みタイムですか?』    いた、戦国だ。  やはり立ち上がりには港の番人に一言挨拶して行きたいしな。   「いや、急ぎ荷なんでこのまま走るよ。朝には静岡だ」 『真さん、あんたさっき大阪から帰ってきたばかりだろ!?』    戦国が心配そうに言う。  俺は確かに昼過ぎに大阪から帰ってきて、ついさっき次の荷を積んで立ち上がった所だ。  時刻は夕方の6時過ぎ。   「大丈夫だよ、俺は頑丈さが取り柄だからさ」 『真さん、あんまり無理すんなよ…全線ベタか?』 「いや、今日は東名の川崎ICから沼津までは乗るよ」 『沼津?沼津の台貫(車両重量計測器.過積載摘発用)は午前4時に開始だ。それまでには必ずクリアしろよ』    戦国は以前、長距離のドライバーだ。当然、過積載で警察に追い掛けられる怖さも知ってる。  管内勤務になった今も、戦国に集まってくる情報は確かだ。   『真さん、ご安全に行けよ』 「了解戦国さん、いってくらぁ」    今日は眠気覚ましに無線をやりっ放しでいこう。  届く範囲までは、戦国が相手してくれるだろうから。
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