39人が本棚に入れています
本棚に追加
気が狂ったように働いた年末を過ごし、大晦日に俺は珍しく自分の家にいた。
多分、帰って来たのは半年ぶり位。
とにかく部屋の空気を入れ換え、簡単に掃除を始める。
親父と義母の住んでいた家だ。俺には大した思い入れも無いが、なぜか売り払うのも気が進まなかった。
ひとしきり使う部屋だけの掃除を済ませ、布団を干す。正月に呑む為の酒を冷蔵庫に冷やした。
しかし大した食料が無い。
どうしようかと思っている時、いきなり玄関先で聞き覚えのある可愛い声が上がった。
「しんじおじちゃん〜!!」
可愛いくハモる二人分の子供の声、俺は急いで玄関に向かう。
声の主は確認しなくてもわかっていた。
最初のコメントを投稿しよう!