遥か

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 食事の後、そろそろ帰るかと玄関先で靴を履いている俺に里穂がニコニコとおもちゃの郵便ポストを見せた。任せろと言う意味らしい。    俺は笑って里穂の頭を撫でる。    気づくと省吾の姿が見えない。    外に出て見ると、省吾は道にしゃがんで俺のトラックを眺めていた。   「省吾、待ってろ」    俺は運転席に乗り込んでエンジンを始動させた。  そしてトラックのイルミネーションを全部点灯させる。    ナイトシーンこそデコトラの真骨頂だ。下手なパチンコ屋のネオンなど到底かなわない位の派手なイルミネーションに省吾がびっくりして目が釘付けだ。  喜んでくれたかな。   「それじゃあな紗織、また来るから。里穂も省吾も元気でな」    運転席から顔を出し、トラックのエンジン音など負けない声で俺は叫ぶ。   「うん、真ちゃんまた来てね。いつでも待ってるから!」    興奮した省吾が飛び出さないように、紗織は省吾を抱き上げた。俺は手を伸ばしその省吾の頭を撫でる。   「今度来た時は乗せてやるからな」 「うん、おじちゃん!!」    はじけそうな笑顔で笑う紗織と紗織の子供たちは本当に可愛かった。    必ず又来るよ、お前が心配だから。    お前と、お前の子供たちが本当に心配だから。
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