僕、ほつとかれたんや。

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その夕方、私は近所の中華料理店、万幸に家族と食事に行った。 (万幸に関しては、エブリスタに掲載されている『都立大田工業野球部 甲子園に行くんだってよ』を読んで頂くとよりわかりやすくなります) ガラガラガラとドアを開け、赤い暖簾をくぐってお店の中に入ると、カウンターの中にいるオヤジが「よう、久しぶり、元気か? まあ席座れや。 お、今日は家族サービスか」と言うと、後から店に入った妻が目で軽く会釈した。 双子の娘も、以前食べたラーメンを覚えているのか「ラーメン大好き」と言って、両手を上げた。 席に着くと、この店で働いている高校の同級生であり、野球部で一緒にプレーした浜田が水を持って来てくれた。 「久しぶりだな。 元気か? 今日も、お任せで良いかな?」と、言ったので、俺はうなずいた。 浜田は「おじさんが、美味しい物を作ってあげるからね」と娘に言うと厨房に戻って行った。
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