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「君は、猫を待っているのかな」と、声をかけるとその少年は小さくうなづいた。
「今日は雨だから、猫は家で待っているから来るかい?」と、言うと、少年は、またうなづいた。
少年は、ちょっと人見知りするのか、私の目を見なかった。
「じゃあ、お母さんと、お父さんが心配するから、お家に電話しておこうか?」と言うと
少年は、「お父さんも、お母さんもいない」と、俯きなが言った。
「じゃあ、お家に連絡しないで、おじさんの家に猫に会いに行っても来も大丈夫かな」と、言うと、やっと嬉しそうな顔をして僕の顔を見てくれた。
家に向かいながら、「何時から待っていたの」と、聞いてみると、少年は「朝ごはん食べてからすぐ」と、言った。
「え!そんなに早く。今日は、寒いから、おじさん、もっと早く来れば良かったね」と、言うと、少年は、気を使ってあるのか、顔を横に振った。
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