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家に帰り、お父さんが帰ってくると
お父さんも、子供の頃、猫を飼っていたので
「可愛いニャンコだな」と言って、
飼うのを許してくれた。
名前はゴン太にした。
特に名前に、こだわりは無かった。
多分、保育園で聞いたゴンキツネの話が
あまりにも悲しくて、うちのゴン太は
僕が幸せにするんだという気持ちで
名付けた記憶が、かすかにする。
保育園を卒業し、小学校に通い
数年後、我が家に悲しい事が起きた。
優しい母が、病気で入院してしまったのだ。
僕が見舞いに病院に行くと
母は「寂しい思いをさせてごめんね」
と、言って優しく抱きしめてくれた。
僕は「大丈夫だよ。
ゴン太と一緒にいるから」
と、言った。
でも、強がって言っているだけだった。
家に帰ると、ゴン太に
「本当は寂しんだよ」と話しかけ、ギュッと抱きしめた。
ゴン太は、僕のほほを伝う涙をなめて
ニャーンと優しく鳴いた。
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