僕、ほつとかれたんや。

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老夫婦のご主人が「あの!何から話したら良いものか」と言葉を詰まらせたので、私は「単刀直入に、孫さんが猫を飼えるかどうかお伺いしましょう」と、言った。 ご主人は「正直、猫を飼うのは厳しいかと思います」と、悲しい顔で言った。 奥さんは、「私たちは、見ての通り、この年ですので、わずかな年金で暮らしております。 そこに孫が、一緒に住むようになり、生活が厳しくなって。 可哀想ですが、猫を飼ってあげられないんです」と、言った。 「何でお孫さんが、そちらのお宅に?」と、聞くと、ご主人が、 「お恥ずかしい話、娘は、あの子を置いて、出て行ってしまったんです。 あの子のお父さんは、病気で亡くなってしまったんです。 その後、娘一人で、子供を育てたんですが、きっと娘も寂しかっ他のでしょうね。 娘は再婚したんです。 でも、お父さん子だったあの子は、それが許せなかったのでしょう。 再婚した相手、母親にも反抗していたようです。 でも、根が優しい子ですから、新しく出来た妹には優しくしていたようです」ご主人が言った。 「だから、オムツ替えるの得意といったのか」と、私が言うと 「そんな事言っていましたか」と奥さんが言った。
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