ごめん、ゴン太、約束守れそうにないよ。

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それから、お父さんと僕と、ゴン太の 二人と一匹の生活が始まった。 お母さんがいた時は 朝、お母さんがゴン太に餌を あげてくれていたが 今はゴン太が 「ご飯ちょうだい」と僕を起こしにくる。 お陰で学校に遅刻することもなかった。 学校が終わって、遊びに行き 帰り道に友達の家から 味噌汁やカレーの匂いがして たまらなく寂しくなり、 泣くのを我慢して帰った時も ゴン太を抱きしめると心が落ち着いた。 宿題をするときも ゴン太は宿題が終わるまで、 じっと机の上に座って僕を見ていて、 宿題が終わらないで遊ぼうとすると なぜか「ニャア」と鳴いて怒った。 夕食も、めんどくさくて、 お菓子だけで済まそうとすると ゴン太は、僕が夕食を食べるまで 自分のご飯は決して食べず 僕が夕食を食べ始めると、 安心してように食べた。 高校生になり、ちょっと夜遊びをして 夜遅く、家に帰ると ゴン太は、僕の帰りを玄関で待っているので 僕は、夜遊びをしなくなった。 まるで、僕の母のようなゴン太だった。
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