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「名前教えてよ」
「日山夏秋」
夏秋は、ようやく冷静に思考できるようになってきた。
「君は一体……?」
「私は、夏川陽菜。ま、見ての通り魔法少女だよ」
と口する少女に夏秋は今更ながらに違和感を覚えた。
「なんで制服?」
「実はね私、今家出中なの。今頃は警察も必死になって私のことを探してる。だから取り合えず、そこら辺が収束するまで空を飛んでたの」
なんかもう、色々滅茶苦茶だった。
「ねえ、どうしたらいいと思う?」
「いや、どうしたらと言われても……」
「これでも私、結構真剣に悩んでるんだよ。実を言うと、今ちょっとだけ泣きそうなぐらいに!」
「えっと……」
本当に泣き出したらどうしようと思うけど、実際こんな満面の笑みで泣きそうとか言われても反応に困る。
「なんで喧嘩したんですか?」
夏秋は、強引に会話の進路方向を変える。
「お父さんが、机に置きっぱなしにしてた私のお金を盗ったんだよ! 多分パチンコに使ったんだ!」
「あ、はい……」
魔法少女の緩急についていけい夏秋だった。
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