俺達の距離と終わったはずの恋心

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「本当……お前、よくウチの高校受かったな。同じところ行きたいって言い出した時には、絶対ムリだと思ったぞ」 中学の時、俺はかなり迷った。 自分のレベルに合わせて天と別の高校に行くか、それとも天がどうにか入れるところにするか。 別の高校にすれば俺達の距離は開いてしまうだろう。 迷った結果、俺は自分のレベルに合わせた方にした。 自分の未来の進路を考えたのもモチロンある。 でもそれだけじゃなくて……いずれ俺達は別々の道を歩む。 その時までに少しずつ距離を取るべきだと思ったのだ。 しかし状況はこの通り。 「コケが一円? 晴ちゃんと一緒が良い」 「大安売りかよ。それを言うなら虚仮(こけ)の一念な」 本当に奇跡なんじゃないだろうか……でも、天が必死で勉強をしていたのは確かで、当時はキレイな顔にクマを作って頑張っていた。 おかげでE判定(絶望的)をひっくり返しての合格を果たした時には、担任のみならず職員室中から大歓声があがったもんだ。 懐かしさに思いを馳せながらのんびりと平和な朝の風景を歩いていると、校門が見えた辺りで聞き慣れた声がした。 「一浦ぁ!」 振り向くと、エラい勢いで走って来る女生徒の姿が見える。 突撃して来たと思ったら、思いっきり制服のネクタイを引っ掴まれた。 「なんでまだ金髪なの!? しかもピアス! 今日だから染めて来てって言ったよね!?」 「あ? 良いじゃん、服装検査だろ? あれは反省文さえ出せばどーにかなる」 「ならないっ!! 生徒会長がそんなでどうすんのよ!?」
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