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確かに房に戻っている最中に気づいたことだが他の房の格子はひと回り大きくできており更には色合いまでもが違った。
洋式の家の中に和室があるほどの違和感で存在していた。
だからその房に入った人しか違和感には気づけない。
入口が障子だろうと襖だろうと自分とは関係ないと扉を開けて去っていく。
この世界の縮図がこの刑務所にあるのかもしれない。
関係ない、関係ない。その精神で成り立っている世界。
俺は看守の声で現実に引き戻された。
俺は終身刑だ──。もう長くは生きられないかもしれない。
テレビで聞いたことがある。
死刑は死刑囚にも当日になってからではないと伝えられない。
世間にも死刑した。という事後報告しかされない。
つまり死刑囚は毎朝を怯えながら過ごすことになるのだろう。
そんな生活はいいか?
よくない。いやだ。
頭の中を『嫌』の一文字がループする。
そして俺は決心した。
──脱獄してみせる、と。
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