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 流石は(ミズホ)と旧知の老女傑。  そんじょそこらの男では太刀打ちできない剛の者ぶりに、キキョウはほろりと笑み、懐から紙片を取り出した。出掛けにミズホから預かったものだ。  院長はそれを両手に受け、不思議そうに首を傾げる。 「これは……“ソレイユ商会”?」 「王都の端に店を構える、神殿出身の元孤児たちが立ち上げた商会です。そこで、簡単な雑貨を扱っています。貴族令嬢の刺繍ハンカチや、あちこちの巫女が手掛けた機織り布など。買取額は微々ではありますが、売り上げの大半を孤児院に寄付する店です。評判なんですよ」 「はあ」 「もし、宜しければ連絡をしてみてください。おそらく、ここのハーブや茶葉は良い品として受け入れられるでしょう。他の神殿と相互に品々のやり取りをすることになった――と言えば、()()()()()()()()()()()()()()()?」 「!! 名案ですわ! まぁまぁ、すてき……!」  ぱあっ、と少女のように頬を染める老巫女長に、キキョウもにっこりと笑う。  とりあえずの対策はできたかと胸を撫で下ろし、院長室を辞した。
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