261人が本棚に入れています
本棚に追加
なりましょう、そう言って伊万里が奏多にしがみつき、縋るように額を擦り付けてくる。動物的でもあるし、まるで子どものようだ。
「俺も、お前のこと好きだ」
奏多の腰に足を絡め、伊万里が淫靡に擦り付けてくる。抑制剤を飲んでいないから限界らしい、膨らんだ奏多の欲望を撫でて、伊万里は早くと強請る。伊万里の秘所はもうビショビショだ。どうやら、あの巣の中ひとりでしていたらしい。
「……悪い子だ。急かすなよ、ちゃんと気持ち良くしてやる」
濡れた後孔から滴る蜜が、伊万里の太腿を濡らしている。
「ひゃ……ん、は、はやく欲しい……っ」
伊万里の足を掴んで、抱え上げてやる。ゆっくりと挿入してやる余裕もなく、そのまま貫いた。脳がおかしくなってしまうんじゃないかというくらいの衝撃と熱が奏多を襲う。
「……くっ」
「あっ、あ、きもち、い……」
「伊万里」
伊万里の中は奏多の存在に悦んでいる。繋がっている場所が卑猥に絡みつき、もっとと強請る。強く腰を打ち付け、中を抉る度に伊万里があーっと、はしたなく啼く。めちゃくちゃに抽挿しても気持ちよさそうな声しか出さない。その反応が嬉しくて可愛くて、夢中で唇を貪った。
「せんぱ、い、すきっ、だいすきっ！」
もはや伊万里の声は呂律が回っていないし、舌ったらずだ。激しくなっていく律動が止まらなくて、全力疾走した時みたいに心臓が痛い。気持ち良すぎておかしくなりそうだ。奥を突けば突くほど、伊万里の声も甘くなる。
「……伊万里。噛むから、四つん這いになれ」
「はう……っ」
欲望を引き抜いたその衝撃だけで、その唇から声が漏れる。間髪入れずにまた挿入する。今度は獣みたいな恰好のまま、後ろから伊万里を揺さぶる。こんな気持ち良いことがあるだなんて知らなかった。欲しがるまま求め合い、噛んでもいい。すべてを許されている。
「せ、せんぱ……いっ、俺、もう、いっちゃう……っ」
「いいぞ、イっても」
伊万里が絶頂を迎えそうなタイミングで、伊万里のうなじに犬歯を突き立てる。噛みたい、その衝動に任せて噛んだ。伊万里が痛かったら可哀想なので、同時に中を掻き回す。伊万里はただ喘いでいる。気持ちいいのかクンクン啼いて、犬みたいだ。
「あ、ああ……、すごい……っ」
噛み痕から伊万里の匂いがする。フェロモンの峻烈な匂いだ。濁流みたいに迸る、酩酊にも似た感覚。繋がっていることの安堵が奏多を包み込んでいた。
最初のコメントを投稿しよう！