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ゆっくりを息を吐き、圧迫感に慣れようと呼吸を整えた。確かにこれは発情期じゃなかったら痛いのかも知れない。発情期だから伊万里の中は与えられた熱に歓喜して、どんどん濡れる。いつもは濡れることが恥ずかしかったけれど、今日ばかりは別で伊万里は自分の身体に感謝している。
「そう怒るなよ、俺だって初めてなんだぞ」
「本当に？」
頬や首筋にちゅっ、と音を立ててキスされる。子どもにするキスみたいでおかしくなる。
「あの、優しくしてくださいね？」
「優しくって、どうやってやればいいんだ？」
若王子がそんな素っ頓狂なことを言いながら、伊万里の膝裏を抱え込み体重を掛けた。悦いところに容赦なく先端がこつんと当たる。
「……ぁん！ ちょっと先輩っ、優しくって……」
「お前が可愛いのが悪い」
薄く汗ばんだ若王子の肌、いつもと違う濃い匂い。こんなに自分たちは淫らな男の子だっただろうか。
「先輩……っ」
無我夢中でキスをした。貪るように唇を奪い合い、伊万里は先走りを滴らせる性器まで擦られて何度も達しそうになった。達してしまったら、辛いことは分かる。でも気持ち良くて、抗えなくてされるがままになっている。中を突かれるまま荒れ狂う波に必死に耐えた。
彼は喋らない。代わりに浅い呼吸を繰り返しながら、腰を突き動かしている。まるで獣のようだ。
「先輩っ、おれ、先輩のことだいすき——…」
彼も余裕がないのか、中を一方的に掻き回される。こんな風に抱かれてみたかったというのは、オメガとしての本能だろうか……彼も同じだったのだと分かって嬉しい。繋がることでパートナーになれたようで嬉しい。少しだけ出てきた余裕を、あっという間に若王子は掻っ攫ってしまった。
「俺も好きだ」
彼がうっとりと呟く。綺麗な目だ。きちんと伊万里を映しながら瞬くそれを、一生見つめていたいなと思った。惜しみなく互いに愛を伝えながら、互いに達する。
「す、すごい、先輩のまだおっきい……」
まじまじと若王子の逞しいソレを見つめていると、叱られた。
「やめろ！ 俺はもう一回してもいいんだぞ」
「それは……今日は遠慮しておきます」
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