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「しゃ、喋ってないで、はやく……っ」
若王子がローションを足したのか、ぬめりを帯びた指の感触はあまりに独特で伊万里は口をパクパクさせた。冷たい、でも滑りが良くなって抵抗がなくなる。中を掻き回されると、甘い熱が押し寄せてくる。
「も、もういいから、はやく——…」
ぐちゅぐちゅといやらしい水音が立つ。伊万里自身も濡れてきた。
身体を起こすとそこに若王子が覆い被さってきた。もう、今すぐにでも入れて欲しい。発情期の時とはまた違う冷静な焦燥が、伊万里を揺さぶっている。それなのに手を導かれて、若王子の中心に持っていかれた。彼の猛ったものが触れる。
「どうなっているか分かるだろ。俺だって早く入れたい」
彼も自分を求めてくれている、それが分かって嬉しい。両足を左右に大きく割られ、愛液とローションとで濡れた窄まりに大きなものが押し付けられる。腰がびくりと震えた。
「……んっ!先輩……っ?」
「自分で入れてみろ」
またそんな意地悪を言う。
でも淫靡な誘いは伊万里を突き動かした。言われるがまま、伊万里は寄る辺なく枕を抱き締め、腰を揺らす。圧が掛かるとあっけなく伊万里のソコは口を開いた。
「っん、せんぱい、これヘンになる……ぅ」
狭い場所を抉じ開けていくように腰を押し進めた。普段この姿勢から挿れたことなんてない。じわじわと繋がっていく感覚。快楽がゆっくりと伊万里を侵食していく。
「ふぁ……っ」
根元まで入った途端、間髪入れず若王子が大きく腰を揺らした。
「ッ⁈ せ、せんぱい、ずるい……」
待ちきれない、彼の顔にはそう書いてある。美しい顔を歪めながら、彼が苦悶の呻きを上げる。たっぷりと使ったローションが音を立てている。浅い抽挿、弱いところが燻られて甘えたような声が出る。もっとして欲しいけれど、して貰ったら壊れてしまうかも知れない。
「っん、いいっ、そこ、すき……っ」
「どうして欲しい?」
子どもをあやすような若王子の声。身体だけじゃなくて、心まで没落してしまいそうだ。
「そこ、もっと突いて欲しい……っ」
切望していた場所まで、若王子なら届く。欲しかった刺激が堪らなくて、伊万里も懸命に腰を揺らした。与えられるもの全て享受したい、もっと気持ち良くなりたい、二人で。
「……かわいい」
「あっ、せんぱい、こっちも……っ」
執拗に同じ部分を責められて、舌ったらずになってしまう。
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