9.新しい季節

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蕩けてしまいそうだ。身も、心も。 「ここか?」 気持ち良すぎて涙が出てきた。オメガで良かったと思う、惜しみなく彼から与えられるものを享受できるのは、自分がオメガだからだ。匂いも温もりも声も、みんな。 「お前の中、あたたかくて気持ちいい。お前はどうなんだ?」 息を弾ませながらそんなことを言われる。頭がぼやけて上手く答えられない。答えないでいると、そっと性器を握り込まれた。 「ひゃ……ん」 やんわり茎を扱かれて、伊万里は一気に達しそうになる。沸騰しそうな欲望、前と後ろを同時に責められて我慢できる筈がない。 「ぁ、も、いく、いっちゃうっ……!」 若王子も同じなのだろう。急に抽挿が激しくなって、伊万里はあまりの悦楽に彼の背中にしがみ付いた。達する瞬間、いつも頭が真っ白になってしまう。ぐっと奥まで腰を押し付けられて、一番奥で止まる。ゴム越しにも熱いものが感じられて、伊万里も達してしまった。 若王子はまるで自分の放ったものを奥に塗り込むように、腰を何度も押し付けてきた。ゆったりとした律動、なのに達したばかりで刺激が強い。いったばかりだというのに若王子の欲望は萎えておらず、伊万里の中で存在を主張している。 「せんぱい、抜かないんですか……?」 とっくに射精し終えているのに、若王子は伊万里の上に覆い被さったままだ。 「んっ……ん、中で、せんぱいがビクビクしてる……」 あ、また大きくなった。でも違和感はない。 「中に入れたままだと気持ちいいだろ」 「……は、はい、ずっと俺の中、ジンジンして……」 甘い波がゆらゆらと押しては引いてを繰り返している。それは決して強い波ではないのに、気持ち良い。 「もっかいしよう」 「……ッ! せ、せんぱ、い、ゆっくり……っ」 急に奥まで貫かれて、伊万里は思わず若王子の背にしがみついた。 「気持ち良いか?」 「はいっ、先輩は……?」 「俺もすごく気持ちいい」 力任せにピストンされても、中がトロトロだから受け止められる。揺さぶられる度に中が捲られている感じがして、ゾクゾクする。気持ち良いところがどこなのかとか、どう気持ち良いのかとか、そんなことは一切わからなくなっていた。 ただ幾重にも快楽の波が押し寄せ、一向に引かない。 「んあ!」 一気に最奥まで押し込まれて、そこでグリグリ掻き回される。 「や、やだ、せんぱいそれ、へんな感じするっ……」
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