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「……はあ」
今日何度目かも分からないため息をつく。ため息なんてついても、ただただ気持ちが憂鬱になるだけで何の意味もないに。
その憂鬱とあたしの中の空白が混ざり合って、まるで『得体の知れない不吉な塊』のようにあたしの心を抑えつけている。
「あー、だるい」
あたしはそう言いながら右を向くと、昨日の葬式でもらった菓子の袋を開けて、だらしなく半開いた口の中に中身をぽいっと放り込んだ。
こんなことをしていたら、いつもは祖母から厳しく注意されるのに、やっぱり今日はあの上品で凄みのある声が聞こえない。
「苦い」
抹茶味。
――和菓子ってこんなぱさぱさしてたかな。
中で粉々しいものが転がる。案の定口が乾いた。
「……水」
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