アルカイーダパンク

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雄輝は気功術の使い手であり、弟子を気功術で吹き飛ばすと言うが、私は常にそれをやられている。「やっ!…空輝っ?…はっ!…く、空輝…君は…受け流せっ!微動だにしない。」雄輝は流石に怒っていた。水際対策と言うにも人材や時間、事態にしても穏やかだ。平和の真っ只中に軍事演習と言うと平和ボケへのアンチテーゼ、つまりは過剰防衛だろう。「雄輝。気功術は治癒の為に用いてくれよ。」雄輝は勝手に私を皆伝し、好敵手にしている。面接の一環にしては過ぎてやしないか?何かしらのハラスメントに該当する筈だ。「空輝っ!悪いな…あんさんは面接受けてる時点で同業者なんやで?あかんか?」雄輝はどぎつい関西弁を投げ掛け、場を凍り付かせた。「あっははっ!雄輝…私はハーピーだ…プロモーターやブローカーには向かないだろ?」私は涙目だった。剰え、競馬で飛んだ一億円を惜しみかけていた。「笑うなっ!空輝っ…くぅっ…一億円は競馬には使っていない…ほらっ…通帳だ。見ろ…。」雄輝は私に渡した筈の通帳を突き返した。確かに1円も引き出されてはいなかった。「僕をスカウトしろっ!ハーピーにプロモーターやブローカーが務まらないだと?宮浜空輝はスカウトマンだったろうが?!」涙を流しながら、雄輝は私に恩を着せた。恩を着せたに決まってる。私は無様に通帳を受け取り、仕舞った。まんまと雄輝のネゴシエーションに乗ってしまったのだった。
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