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体が揺れた。むくりと起き上がり、 「おはむにゃよう……すぅ」 すぐに寝入る。 また揺れた。起き上がり、 「こんにちわん……くぅ」 またそのまま寝入り、 『名古、ほら起きなさい。朝できてる』 目が少しキリッとした。 「お母さんそれはまさかのハムチー?(ハムチーズトースト略)」 お母さんは霧に巻かれるように消えて、程なくニュースの音が耳に回帰。 「起きなくては。ハムチーは至高」 そんな朝。 登校は7時から。 先に快活な行ってきますで家から去った父に続いて、身支度を秒殺し、ハムチーの残り香に腹を鳴らしながら、 「おっと、これを忘れては武士になれないの」 スマホは武器だ。 キャラクター充電器から抜く。ロックを解除して、 「満タンOK」 ランドセルは最近らしくデザイン性のあるリュックサックだ。 「じゃ、行ってきます。本当は行きたくないけど」 少しだけ視線を下げて通学路を歩いた。
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