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 四月十八日  今日、獅子の砦が陥落したらしい。  これで、あの人のところへ手紙を届けることももうできない。  どうすればいいの?  四月十九日  ロケットのあなたの写真を抱いて眠っても、あなたは夢に出てきてはくれなかった。  あなたの面影が消えてしまいそう。  四月二十日  あの陵線の向こうへ飛んでいきたい。  鳥よ、わたしに翼を貸して。  その日記は、恋焦がれる王子のところへ行きたいが、連絡もつかず、会えないということを毎日延々と綴ってあった。  全く記憶がないが、きっとこれはわたしが演じている姫君の日記なのだろう。  わたしは日記を元の場所へ戻すと、この王国とやらを探索してみることにした。  お姫様の部屋は広すぎて、出口がどこかさえもすぐに分からない。ベッドの反対側まで歩いて行くと、人の気配を感じた。 「お、おはようございます」  か細い声でわたしに一礼したのは、モノトーンの地味な服を着た女の子だった。見た目はわたしより少し年下だろうか。
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