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わたしは高校の弓道部で主将を務めていた。弓は中学生の頃から続けていたが、入学した時点では弓道部がなく、わたしは担任に直訴して、弓道部を作ったのだ。
無いのなら、自分で作ってしまえばいい。あの時のわたしは、今思ってもかなりアグレッシブだった。高校生になりたてで、ちょっと勢いづいていたところもあるのかもしれない。
今、わたしは世界を作る側の立場にいる。この世界の命運は、わたしの行動によって変わるのだ。乗りかかった船だ。最後まで責任を果たしたい。
「さあ、どうしました、姫。いつまでも踊っているだけでは、解決出来ませんよ」
水先がわたしを煽ってくる。あの男の目的が何なのかはともかく、両親やミリアたち、そして二つの国の未来を守らなければ。
わたしは弓をイメージして構えを取った。すると、左手に輝く黄金の弓、右手に黄金の矢が現れる。この世界を滅ぼそうとする悪魔を滅する、正義の弓矢だ。
「受けてみなさい」
矢を番えて水先の胸を狙う。しかし、引き手の指が動かない。それを見た水先は、攻撃を止めて両腕を開いて見せた。
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