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なぜに、オレたちが、遊園地に来ているかと言うと、陽子が働いているスーパーで、福引があったのだが、思ったより客が来なくて、賞品だった「遊園地の招待券」が、八枚も余ってしまったのだ。
それを、スーパーの店長が、陽子にくれたらしい。
だから、陽子のたまの休みに、家族全員プラス、オレで、遊園地に来ることになったのだ。
オレは……。
遊園地というものに、来たことがない。
児童養護施設で育ったオレに、遊園地は無縁だった。
そして、遊園地に家族で来る、というのは、憧れ中の憧れだった……。
家族のいないオレにとって、この近所の遊園地は、あの人気のネズミがいる巨大な遊園地よりも、大きな存在だった。
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