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湯船には寝そべっても身体が半分しか浸からない程の湯が貼られている。
垢も浮かび、生ぬるく、入らない方が衛生的では無いかと思う程だが、今の目的はそれでは無い。
白は湯船に入り、そこに白い油性絵具を垂らして、仰向けに浸かり、うつ伏せになる。
すると、思った通り。白の身体の色は先程とは真逆に染まる。
白は洗面器に水道水を溜めて、全身にかけ、色が流れ落ち無いことを確かめた。
白は刑務官を呼び、刑務官が上官呼ぶと、上官は白に石鹸をつけて、タワシでゴシゴシと擦った。
そして、色が変わらないことに気づくと、上官は悲鳴をあげて、白に詫び出す。
白は嗚咽を堪えた。
それは今まで感じたことの無い程の怒りから来て頂た。
「冤罪であります!
何の罪も無い女性の裸を我々が見て良いのですか?
恐れ多い!dye様の裸を我々がこれ以上見ることは大罪です。」
刑務官はそう言い白の手錠を外し、上官の腕を強く引っ張り外に引き摺り出した。
「白先生、白先生!まだそこにいらっしゃいますか?彩です。助けに来ました!」
風呂場の大きな排水溝の扉が微かに開く。
「水が…開けますね。」
「待って。服を着る。」
そう言うと、白は急いで服を着て、黒い絵具を湯に垂らす。
すると、全身がまた、漆黒に染まった…
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