あなたに 第三部

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それから私は、あなたもご存じの通り、翻訳の仕事を始めました。 大変ですが、英語は好きなので楽しいです。 Mayとは、一月に一度会っていました。 Mayはすでに、六法全書と、ポケット六法を 持っていました。 次の年に、東大に入学しました。 Mayには、何一つ、かないません。Mayは それでもいい。そう言いました。 東大と言えば、銀杏並木。Mayと待ち会わせして、銀杏並木を歩きました。 私が、こちらの方から [ May~ ]と叫ぶと、Mayは、散った銀杏を集めている方に 竹箒を一本借りて、銀杏を掃きながら、私の ところに、来ました。 銀杏の絨毯を、踏みたくないから、、 私は、笑いました。 [ なにが面白いの? ] [ Mayが、面白いの。] [ 早く瑠璃ちゃんと、結婚したいな。] [ そうね。Mayなら大丈夫。一度で合格するわ。] [ 司法試験は、瑠璃ちゃんと結婚するための、試金石だからな。絶対受かって、瑠璃ちゃんを、迎えに行くよ。瑠璃ちゃん、待っていてね。] [ もちろんよ。早く、Mayの赤ちゃんが欲しいな。男の子と女の子の、双子の赤ちゃんが、生まれるの。楽しみだわ。] [ その前に、瑠璃ちゃんと、たくさん愛し合いたい。] [ ぷっ ] 大学二年生までは、時々会えました。 三年、四年と、会えませんでした。
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