あなたに 第三部

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時々、Mayから電話がかかって来ました。 [ 今なら、少し会える。会いたい。] そう言いました。でも会えません。継母が [ 男性の都合に合わせては、いけません。] そう言って、家から出してくれません。 Mayは、学生寮に入っていました。 食事の支度は必要無いし、洗濯は、全自動で 干すだけ。 どんな時も、ポケット六法を見ていると、葉書に書いてありました。 その甲斐があって、予備試験に合格しました。そして、司法試験にも合格。 Mayは、N高校に一番で合格し、一番で卒業しました。 普通の頭ではありませんね。 Mayを待つことは、寂しくはありませんでした。 なるようになる。そう思っていました。 [ 今は、無理して結婚なんてしなくていいんだ。] 父は、いつもそう言っていました。
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