最期の色合い

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魂がもしあるとして 手のひらほどの球とする 始めはみな さほど変わりなく 無垢な色がほのかに灯る 愛され傷つき 色を変え 時には形を変えるだろう 互いの色に染まり合い 時に笑って弾んでは 時に泣いては震えてる 時に尖り 時に凹み 固くもあれば柔らかい 誰かの情熱の火にあてられて 火の粉が飛んで燃え移る 互いの色に染め合いながら 流れ着く先はみな同じ ひとつの球は いくつもの 色で染まっているだろう 始めは違いも無かったが 同じものは、ひとつもない あなたの今は何色で 私はどんな色だろう そして行き着く最期には どんな色になるだろう
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