episodeⅠ

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 12時、ニューヨークの街は人々で溢れている。ランチタイムで皆がいつもどおりに食事をしようとしているころだった。しかし、事件は突然起きた。 ある高層ビルに10数人の強盗犯が立てこもり「金を出セェーっ!ヒャーハハハッ!」と騒ぎマシンガンを乱射し辺りはパニックになりすぐにどのチャンネルもそのことを取り上げて街が騒ぎになる。  強盗団の1人がテレビをつけ、笑いながら「見ろよ!どのチャンネルも俺たちの事で持ち切りだぜ!!」とマシンガンを上に向けて撃つ。人質にされている人達が怯え床に手を着き悲鳴を上げている。  高層ビルの周りにはいくつものパトカーが並び警察たちが混乱している。  ビルの周辺は簡単には中に入れないようにそこら中に派手に破壊された跡があり更にバリケードまで設置されている。  「どうすればいいんだ!被害者をだす前に何とかしなければ・・・」  「しかし、これだけの高いビルを占拠されるとどうしようもないですよ。周辺も刃物やら爆弾やらで簡単には近づけませんし、下手に手を出したら人質がどうなるか・・・」  と、会話している中1人の青年が現れた。身長2メートル近くで金髪、青いロングコートを着こなし黒いサングラスをかけている。2メートル近い背で目を引くがよく見ると手に刀を持っている。  「な、そこのお前!何てもんを持っている!この忙しい時に不審者まで現れるとか。これ以上面倒な事を起こすな!両手を後ろに回して膝を付け!」  警察が大声でそう言ってもその青年は動じず、ビルのほうに歩いていく。  「聴いているのか!」  青年は落ち着いた口調で「あんた達だけじゃ人質の身に危険が及ぶ。負傷者が出るか、最悪死者が出る可能性もある」そうひとこと言いバリケードの真ん前で立ち止まった。  刀を抜き15メートル近く跳躍をし、軽々とバリケードを跳び越え容易に高層ビルまでたどり着く。そしてそのまままた15メートル近く跳躍しほとんど音を立てずに壁をまるで紙かなんかを切るかのように切りそのまま中に入っていった。これだけの巨大なビルの壁を切ったのに音がでないというのは説明が付かない出来事だった  青年は常人を超えた聴覚で強盗団の声や発している音を聞き場所を特定し歩いていく。  そしてその部屋にたどり着き「失礼」とひとこと言った。
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