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強盗団はその言葉で青年に気づき「てめぇ!!どうやって入ってきやがった!!」と声を荒らげた。
「答える義理は無い」
「はっ、こいつよっぽど死にてぇみたいだな。だったら殺してやるよ!さっさと死んじまいな!!」
マシンガンを構えた次の瞬間、気づくとマシンガンは細かくバラバラにされ、強盗団から数10メートル離れた場所にいた青年は目の前に立っていた。
「・・・何しやがった、てめぇ・・・?」目を丸くするなか一瞬で青年は刀を持っていない左手で掌手を食らわし、犯人はまるで後ろからワイヤーで引っ張られているかのように壁の向こう側まで吹き飛んだ。
「化け物がっ、だがこっちには人質がいるんだ!こいつらを殺されたくなかったら・・・ヒッ・・・」そう言いかけた犯人は突然悲鳴を上げた。気づくと犯人の首のすぐ横に刀が向けられていた。その距離わずか1mm、刀が鋭く光を反射する。
「人質が―なんだって?」
そのあまりにも突然の出来事でそれを察するのに数秒の沈黙ができた。
「・・・たっ頼む。降参するから斬らないでくれ・・・・・」青年に、ほとんど声にならないほどのかすれた声で怯え、強盗団全員が1歩も動けなくなっていた。
「話のわかる人達で助かる」その数分後、10数人の強盗犯は青年と一緒にビルから出てきた。
ビルの周りに集まっていた警察達はありえない現状に驚き「あんた、いったい・・・」と呟いた。青年は「ナイトソルジャー―」と一言言い、後ろに振り向きそのまま歩いていった。
13時頃ネオはサングラスを外しハートビートというバーに来ていた。
かなり広く夜には何十人と集まり賑わう人気の店だが13時という時間帯という事もあってバーにはほとんど人が入っていなかった。
カウンター席に座り中年の37歳ぐらいに見える大柄なマスターに何にします?と聞かれマンデリンブレンドと注文する。
「コーヒーですか?」そう聞かれ、「俺はまだ未成年だ、アルコールは飲めない」と一言発する。マスターは明らかに、じゃあ何でバーに来たんだ?と言いたげな顔をして、コーヒーを淹れる。
店のテレビにはあの事件のことが放送されている。
「被害者ゼロで解決したみたいですよ」マスターがネオに話しかける。
「そうみたいですね」
「そういや、お客さんこのテレビに映っている人にそっくりだね」
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